真円を基調
ハンドルのデザインについては「ハンドルはあくまでリールを機能させるためのパーツ」という考えに基づき設計しています。そのため、ハンドル単体での奇抜な造形や装飾は排除し、リールの外観を損ねず、全体調和するようなデザインとしました。
このハンドルの真円を基調(ピラー取り付け部/センター部分/リテーナー)としたS字デザインは、リールの側面に存在しない形を排除した結果生まれたものです。
※屋号名及びシリアル№もハンドル裏面に刻印しています
こだわりのエッジ処理
加工専門業者様から納品された状態のハンドルプレートは、そのままではエッジが鋭過ぎるのです。これは、超正確な機械加工技術ゆえ当然なのですが、このままリールに取り付けると、ハンドルだけが浮いてしまい、リールとは調和しません。リールのパーツ、例えば隣接するドラグノブなどとも馴染むよう、エッジ処理も時間をかけて行っています。
このエッジ処理も加工業者様にお願いすれば手間も減るかもしれませんが、釣り道具好きにしかわからない感覚的なものを数値化して伝えるのは難しく、自分たちで研磨加工を行っています。
右側が元の状態、左側が私たちで研磨加工を行った後の状態です。
美しさにこだわったノブの固定方法
ノブの固定は真鍮ピラーをハンドルプレート裏側からカシメて固定する、昔ながらの方法を取っています。このカシメ作業はネジのタップを切る事よりはるかに神経を使うのですが(失敗したらやり直しがきかない)、ノブの側面にネジが存在せず、美しいリールの外観を損ねません。ネジ式と異なり、その日の気分に合わせてノブを交換するといったことはできませんが、その必要性を考えたときに、それよりは「美しく、シンプルである事」を優先しています。
※ハンドルプレートとノブの間には0.5mm程度のアソビが発生します。これは上記取り付け方法によるものと、注油メンテナンスの為に設けています。ワッシャー等での0コンマ数ミリ単位での隙間調整等は出来ませんので、ご理解頂きたくお願いいたします。