夜な夜なジュラルミンを磨いています。
これまで作った試作モデルは全て一般的なアルミ素材で作っていたのですが、
ハンドルとしての使用感を試すには問題なくても強度の面ではやはり不足していて、使用中に曲がってしまう事がありました。
素材を超々ジュラルミンにする事で、強度的な問題は解決できたのですが、そうすると厄介なのがアルマイト加工と研磨加工。
今日はハンドルプレートの納入後(切り出しは専門業者様に依頼)、どのように加工しているか書いてみます。
1.納入後の検品と洗浄
2.加工と刻印
・ハンドルリテーナーネジ取り付け用穴開けとタップ加工
・屋号とシリアルナンバーの刻印
3.バレル研磨1回目(粗研磨)
・機械加工のエッジが立っている状態から、リールのパーツと馴染むように整える
・刻印面の平滑化
工程3まで終えた状態がこちら。
4.バレル研磨2回目(中研磨)
・一回目より細かい研磨材で表面を整えるとともに、細部(逆R部分)の研磨
5.バレル研磨3回目(光沢仕上げ)
・光沢仕上げ用研磨剤で艶ありの状態にする(ここでやめるとちょうどアブ2500Cシルバーのカップと同じような雰囲気になるので、この仕上げも美しいと思っています)
6.バフ研磨
・粗⇒細⇒仕上げの順番でバフ研磨
7.手仕上げ
・研磨クロスと磨き剤で仕上げる
8.ブラック加工分はアルマイト仕上げ(これは別の機会に)
工程の中では6と7と8がかなり時間がかかるのですが、2(刻印)で失敗した場合はそのプレートはもう使えないので(涙)、かなり神経を使う工程です。
7までの工程を終えたプレートがこちら
メッキではないので、究極的には「鏡面」ではないかもしれませんが、それに近い状態にしています。
↓はリールに取り付けてから約一ヶ月間、ナイトルーティンと化したハンドルくるくるを経た状態です。
うっすらとクスミはありますが、気になるようであればコンパウンド等で磨く事も出来ます。
ジュラルミンは強度もそうですが硬度も高く、通常のアルミの様な光沢加工にはかなり時間がかかりますが、一つ一つ、仕上げています。
今から研磨に戻ります。それではまた!